人工知能(AI) 2018 2 4

 最近は、ニュースや本で、
よく話題になっている人工知能(AI)があります。
 「今、話題の人工知能を自宅のパソコンで試してみたい」
そう考える人も多いでしょう。
 あるいは、そういうことは、スーパーコンピューターや、
大型コンピューターでないと不可能だと考える人が多いかもしれません。
 実は、「試してみたい」というレベルならば、
自宅のパソコンで人工知能(AI)を体験できます。
「必要なもの」
パソコン
(できれば、デスクトップパソコンか、高性能なノートパソコン)
(欲を言えば、グラフィックボード(GPU)が搭載されたパソコン)
UNIX系のOS
(具体的に言うと、Linuxのディストリビューション(道具一式))
(Windowsパソコンでも問題ありません。
Windowsに「Ubuntu」というディストリビューションを搭載するからです)
プログラミング言語の「Python」
(これは、気にしなくてもよいでしょう)
(「お試し」ならば、Pythonを知らなくてもよいでしょう)
(本格的に人工知能に取り組むならば、Pythonが必要ですが、
いずれにせよ、Pythonの道具一式は、無料で取得できます)

書名 パソコンで楽しむ 自分で動かす人工知能
著者 中島 能知  インプレス

 最近は、グラフィックボード(GPU)が、
「品薄だ」という噂を聞いたことがあります。
特に、「NVIDIA」のGPUが一時的に「品薄だった」という。
 GPUの本来の用途は、パソコンのゲームです。
とりわけ3Dのゲームには、GPUが必要になります。
 そんなにゲーマーが増えたのか。
ゲーム人口は、それほど増えていません。
 実は、人工知能の演算には、GPUが有効だとわかったからです。
CPUよりもGPUを使った方が、人工知能の演算には適しています。
 さらに、今、話題の暗号通貨(仮想通貨)の「採掘」には、
やはり、GPUが必要だということになり、
最近の採掘者は、スコップやツルハシではなく、
電子的に採掘をするので、大量のGPUが必要になりました。
 昔は、NVIDIA社といえば、ゲーム関連企業だったのですが、
最近は、人工知能や「鉱山関係」の会社になってしまったのです。
 さて、前置きが長くなりました。
この本は、自宅で気軽に人工知能を楽しむためのマニュアルです。
「GPUを活用することで、高性能なコンピューターを導入するよりも、
高いコストパフォーマンスで、AIソフトウェア実行環境を用意できます」とあります。
 要するに、AIソフトウェアを実行するには、
CPUの性能ではなく、GPUの性能が重要です。
 そういえば、インターネットには、
暗号通貨の採掘には、
やはり、CPUの性能ではなく、GPUの性能が重要であり、
CPUの性能は、最低レベルでよいと書いてあったと思います。
 もうひとつ引用しましょう。
「人工知能の囲碁であるAlphaGoを構成する計算資源は、
CPU1202個、GPU176基とされている」とあります。

GPUの時代 2017 7 17 Marine Day
「まさかゲーム部品がAIの主役になるなんて」
 GPUとは、パソコンのCPUと似ていますが、全く別のものです。
話せば長くなりますが、
順番に、時系列に書いていきます。
 パソコンで、計算やワープロをしている時は、
CPUで十分だったのです。
 ところが、パソコンでゲームや動画を楽しむようになると、
CPUに大きな負担がかかるようになったのです。
 そこで、CPUは、計算処理に専念して、
画像処理は、画像処理専門の半導体に担当させるようになったのです。
その半導体が、Graphics Processing Unit(GPU)です。
 昔は、パソコンでゲームや動画を楽しみたい愛好家は、
競い合うように、NVIDIAなどのGPU(グラフィック・ボード)を買い求めたものでした。
 パソコン愛好家は、一時期は、CPUの性能に熱狂していましたが、
やがて、CPUではなく、GPUの性能に熱狂するようになったのです。
 強力なGPUがあれば、3Dゲームや動画が、
鮮明に、あるいは滑らかに表現できるからです。
 そういうわけで、いつの間にか、
パソコン愛好家の間では、CPUの時代から、GPUの時代になったのです。
 ところが、今や、AIコンピューターにも、
CPUではなく、GPUが使われるようになったのです。
 AIコンピューターでゲームをするのか。
いや、違います。
GPUがAIコンピューターに最適だとわかったのです。
 本来、画像処理用に作られたGPUが、
機械学習やディープラーニングで象徴される、
AIコンピューターの心臓部に最適だとわかったのです。
 そういうわけで、NVIDIAは、
ゲーム部品の会社から、AIコンピューターの主役になったのです。
 つまり、時代は、CPUコンピューティングではなく、
GPUコンピューティングの時代になったのです。
 このままでは、コンピューティングの主役は、GPUであり、
CPUは、オマケのような存在になってしまうかもしれません。
 さて、CPUとGPUの構造的な違いは、コアの数です。
一般的なCPUでは、コアの数が4から8ぐらいだと思いますが、
GPUにおいては、数千になります。
 もちろん、こんなにコアが多いと、大きな熱を発生させます。
そういうわけで、CPUよりも、GPUの方が熱の発生量は大きいのです。
 そもそも、GPUは、3Dゲームや動画を楽しむために開発された専用半導体であり、
CPUのように、何でもできる汎用の半導体ではありませんでした。
 ところが、GPUが高性能化してくると、
汎用という分野でも、最初から汎用に設計されたCPUを上回るようになり、
GPUが、CPUのような仕事も引き受けるようになったのです。
これを「GPGPU(General-purpose computing on GPU)」と言います。















































































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